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がりことぐれ猫たち〜あみだクジ

2014/ 12/ 20
                 

20141220214618175.jpg

あたちの左足の裏側に、とても大きなハゲができまちた
あたちは、見た目より繊細なのにゃ
ハゲの原因は、過度のダイエットにゃ
いつもお家でお留守番で、食べるだけが唯一の楽しみ
その楽しみを奪われたため、過度のストレスがかかったんでちゅ
ハゲは薄毛が生えてきて、快復傾向にありまちゅが
おばちゃんは、無神経で、極端で困ったもんでちゅ
もう少しでアデランスってとこだったにゃ

2014122014272546c.jpg

「ゆいちゃん…、ハルエおばあちゃんは…、昨日ね、天国に行ったの…」
二人の職員の若い方が、少しためらいがちに言った。
「え…、天国って、おばあちゃんは、死んじゃったの?」
「ゆい、おばあちゃんと仲良しになったのに…、とっても、悲しいな…」
「ゆいちゃん、悲しんじゃダメだよ」
「うん…おねえちゃん、どうして?」
「ハルエさんは、一度天国に行って、次に生まれ変わる準備をしているの」
「新しい命に生まれ変わるんだよ」
「へえ〜、ゆいには、よくわからないな…」
「でも、ゆいは、元気だすね」
「そうだ、、ゆいちゃん、これって、ゆいちゃんが書いた絵だよね?」
「うん…そうだよ!ハルコだよ」
「ハルコ!?」
「そう、猫の名前、おばあちゃんととっても仲良しだったの…」
「ああ〜そうか!ゆいちゃん、この絵、持っていってね」
若い職員は、その絵を壁から剥がすとゆいちゃんに手渡した。
「おねえちゃん、ありがとう」
その時、ゆいちゃんを呼ぶ声がした。
「あっ、なつみちゃんだ!おねえちゃん、またね」
ゆいちゃんは、そう言って絵を受け取ると、フロアの大きな食堂に来ていた他の園児たちのもとに、駆け出して行った。
ゆいちゃんが出て行き、片付けを終えた職員が部屋から出て行った。
「しももねえさん…」
「ちくわ、やっぱり、ハルエさんは、ここにいたんにゃね」
「にゃ、間に合わなかったにゃ…」
「うにゃ…、せめて、あの絵をもらっていこうにゃ」
「がりこしゃんに、見せてあげるんにゃね」
「シャ!そうにゃ、そして、今聞いた話を、ハルエさんが、ここに来た経緯を話してあげるんにゃ」
「そうにゃね。ハルエさんは、がりこしゃんを見放したわけではなかったことをにゃ」
「ちくちゃん…」
その時、チョコねえさんとチェリーちゃんが部屋に入って来た。
それに少し遅れて、トムくんとジジくんもやって来た。
あたちは、みんなに、今聞いた話しを伝えた。
「そういえば、その園児たちは、食堂に来ていたけど、外に出て行ったにゃ」
チョコねえさんが言った。
「シャ!それにゃあ、後を追いかけないと、あの絵を、どうしても入れにゃいとにゃ!」
あたちたちは、ゆいちゃんを追いかけて、慌てて建物をから外に出て行った。
外に出ると、その園児たちの集団を見つけた。歌壇の側で、うずくまって何か話している。
その中に、ゆいちゃんを探したが見当たらなかった。
「にゃ、あの子は、どこに行ったんにゃろか?」
「すももねえさん、こっちにゃ!」
ジジくんに呼ばれて、物置の側で隠れているジジくんの所まで行くと、ベンチで一人で座っているゆいちゃんが見えた。
先ほどの職員に手渡された、がりこの絵を広げて眺めている。
「シャ!今がチャンスにゃね、一人きりで、邪魔者がいないにゃ!」
みんなもここまでやって来た。
「にゃ、それにしてもにゃ、誰が行くんにゃ、絵をもらう交渉に!」
トムくんが言ったのを聞いて、みなはしばし沈黙の後、自分はその役ではないと、いっせいにすももねえさんを見た。
「シャ!にゃんにゃ、みんな、あたしかってにゃ、あたしはにゃあ〜、ダメにゃよ〜」
「そうにゃ、あの子は女の子だから、やっぱり男のジジがいいにゃよ」
「え〜すももねえさん、何言ってるんですか、ボクより、こういうことは、トムのが適任にゃ」
「にゃんにゃ、ジジ、ボクよりにゃ、チェリーちゃんがいいんじゃにゃい、動きが素早いから、絵を奪って逃げるにゃ」
「え〜あたしにゃあ?最近、あたし動き鈍ったし、やっぱりここは、経験豊富なチョコねえさんに…」
みんなそれぞれに、交渉に行きたくない理由を言っている。要するに、子どもとはいえ、人間に近寄るのが怖いのだ。まして、何とか絵を貰ってこないといけないという重大な任務だ。
「シャ!そうだ。こうしようにゃ!」
「あにゃ、しももねえさんがやっぱり行くんにゃね、さすがにゃ!」
「ちくわ!違うにゃ、あたしはにゃ、人間なんて、へっちゃらで全然、怖くにゃいけどにゃ、ここはにゃ、公平にいくにゃ」
すももねえさんが人間が怖くないなんて、初耳だった。また見栄を張っていると思ったら、あたちは、可笑しくなった。
「しももねえさん、公平ってどうするにゃ?」
「ちくわ、クジ引きにゃよ、シャ!あみだくじにゃ!」
すももねえさんの得意のあみだくじだ。すももねえさんは、どうしてかしらないけど、あみだくじが好きなのだ。
要するに、あたちが思うに、臆病なすももねえさんは、自分が交渉役にならないように、苦肉の策を提案したのだろう。
すももねえさんが、地面にあみだくじの線を引いたので、その線をみんな一人ずつ選んだ。
すももねえさんは、次にその直線に、横線を何本か入れ、最後に当たりの線に印をつけた。それが終わると、線に沿って、とても楽しそうに、当たりを探っていった。
「シャ!ワクワクするにゃ、いつもこの瞬間が一番興奮するにゃんね」
「あみだくじくじ…あみだくじ…にゃにゃ」
「にゃ、ジジ、はずれにゃ!」
「にゃ、にゃ、トムはずれにゃ!」
「にゃにゃ、シャ!チェリーちゃんもはずれにゃ!」
「シャ!にゃにゃにゃあ〜ん!」
「にゃ!しももねえさん!誰に当たったんにゃ?」
「………」
結局、交渉役に当たってしまったのは、すももねえさんだった。
あたちは、可笑しくてふきだしそうになった。
すももねえさんは、みんなに押し出されるように、少しずつ、ゆいちゃんに近づいて行った。

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