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がりことぐれ猫たち〜里親2


家への緩やかな坂道

あたちの家に続く道は、緩やかな坂道になっている
ここを歩いていると、時々、あの日の情景を思い出す

家を締め出された時は、門柱の上で、不機嫌極まりないチョコねえさん
「シャ〜!」と、その前を通る人を、鋭い眼光と爪をたて威嚇する
チョコねえさんを良く知らない人は、思ったことだろう
「なんて、おっかない!凶暴猫だ!」
でも、あたちは知っているのだ
あの日、あたちの見た光景が、チョコねえさんの本当の姿だ

それは、いつものように門柱の上で、家主の帰りを待っていたチョコねえさんが
家主の大家に名前を呼ばれて、大家もとに駆け寄り
二人でゆっくりと、家に続く緩やかな坂を歩いて来る
自転車を押しながら歩く大家の、そのゆっくりとした歩調に合わせて
その傍らにそっと寄り添う
それは、ちょうど夕刻だったので
二人をオレンジ色の夕陽が、微笑ましく照らしていた

そんなチョコねえさんが、家に戻らなくなって一週間が過ぎた
こんなことは、はじめてのことだ
大家家族もできることはしたが、今だチョコねえさんの姿はない
雄猫にも喧嘩をしかけ、顔を腫らして傷だらけになって帰ってきたこともある
高齢になりはしたが、気丈で決して弱みをみせない

弱肉強食の野生では、弱った姿をさらすことは、死につながる
あたちたち猫は、気高い生き物である
辛くてもじっと耐え、弱みなどみせない本能が残っている
あたちは、思っている
誇り高き猫のチョコねえさんは、自ら姿を隠したのだと
最期まで猫の威厳を保つために、誰にも告げづにひっそりと

あたちは、この坂を登る時、あの日の情景を思い出す
大家の家の前にさしかかった
見ると玄関の引戸は、今も少し開けられたままだ
チョコねえさんが、いつ帰ってもいいようにと

意思疎通チョコ

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チョコねえさんに捧ぐ 2014.11.24 ちくわ

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「これは、何にゃ?」
「ちくちゃん、これはにゃ、人間のお年寄りが生涯を過ごす施設にゃ」
チョコねえさんが言った
そのパンフレットは、特別養護老人ホーム「ほほえみ園」という施設の案内だった。
「ショウガイ…、シセツ…?」
「うにゃ、聞いたことあるにゃよ、年をとった人間たちが、暮らす家みたいな所にゃ」
「なんでも、人間は、そこでずっと死ぬまで暮らすそうにゃね」
「すもちゃん、そうにゃよ、誰かの手助けをうけて、最期まで暮らす所にゃ」
「にゃにゃ、でもこれがはるえさんと、一体何の関係があるにゃんか?」
「そうにゃね、チェリーちゃん、あたちもわからにゃいにゃ」
「このガランと片付けられた家の様子といい…、人が住んでいない様子といい…」
「すももねえさん、わかったにゃ!はるえさんは、既にこの家にはいなくて、ここの施設で暮らすことになったと…」
「ジジ、そうにゃ!それは、充分考えられるにゃ」
「そこに行くことが決まったので、がりこを手放したってことにゃ?」
チェリーちゃんが続いて推測して言った。
「そう考えると、何か全部、今までのことが辻褄があうにゃんね」
トムくんが続いて言った。
「でもにゃあ〜これって、何処にあるにゃん?」
ジジくんが改めてパンフレットを覗き込んで言った。
「にゃにゃにゃ〜あ、これって、ボクの家の近くにゃん」
パンフレットに書かれた住所を見て、トムくんがつぶやいた。

トムくんは、隣町からここまでやって来ているのだ。はるえさんが居るらしい施設は、トムくんの家のある隣町にあった。
「この建物のある場所は、だいたい見当がつきますにゃ」
「しももねえさん、どうするにゃ?」
トムくんの問いに暫くの沈黙の後、すももねえさんが答えた。
「行くしかにゃいにゃろ、これは、はるえさんの残してくれたメッセージだと思わにゃい」
「そうにゃね、しももねえさん、これは、あたちたちにできる最期のことかも知れないにゃ」
「トム、ここへはどうやって行くんにゃ?」
チョコねえさんが聞いた。
「まず、ボクの家のある方へ行きましょう」
「ボクがここまで来るのに、利用している車があるんですにゃ」
「にゃにゃあ〜トムくん、車ってにゃ、車を運転するんにゃか?」
「チェリーちゃんまさか、いくらボクでもにゃ…」
「郵便配達車を利用してるんにゃ、その車に便乗してるんにゃよ」
「にゃるほど、それなら遠くまで行けるにゃね」
「にゃにゃ、それじゃあ、それに乗れるってわけにゃ、にゃんか、ワクワクしてきたにゃんね」
チェリーちゃんがうれしそうに言った。
「これから郵便配達車に乗って、ボクの家の近くで降りて、ここまで歩いて行くことにしましょうにゃ」
「ボクが地図を頼りに、案内しますにゃ」
「うにゃ…そろそろ、その車が来る時間にゃよ」
トムくんが少し慌てた様子で言った。
はるえさんの家に潜入して暫くたっていた。気がつくと夕刻にさしかかっていた。
その郵便配達車が集配場所のポストに来る時間が迫っていたのだ。
「シャ!それじゃ、急ごうにゃ、みんな!」
すももねえさんに先導されたあたちたちは、はるえさんの家から出て行った。

あたちたちは、トムくんがいつも利用している郵便配達車が停車する、赤いポストまで走って行った。
そこまで到着し、息を整えて待っていると、遠くに赤い郵便配達車がやって来るのが見えた。



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Author:ちくわ
2010年5月生まれ、茶トラのにゃんこでちゅ。好きな食べ物はおでんの汁にゃ。よろちくわ!

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