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がりことぐれ猫たち~あんずちゃんと仲間たち2

あたちは、あんずちゃんの先導で商店街を歩き始めた。
日用品を扱う雑貨店の前を通りかかった。その時、二人の気配に気づいて、中から誰かが出てきた。
キジシロの男の子だ。
「やにゃあ~勘助!儲かってるにゃ?」
「にゃ!ぼちぼちやにゃあ~」
あんずちゃんがキジシロ君に声をかけた。
勘助くんは、このお店の二代目でこの商店街の近くにある女子高校の生徒たちの人気者だ。







勘助くんの雑貨店を後にして、少し進んだ所であんずちゃんは急に立ち止まった。
「あにゃ!」
後を続くあたちと危うくぶつかりそうになった。
あんずちゃんが立ち止まった所は、クリーニング店の前だ。
店の窓ガラス越しに、三毛子ちゃんが見えた。お気に入りの椅子に座って、幸せそうに寝ている。
「ほにゃ!ちくちゃん見てにゃ、こいついっつも寝てるんにゃ」
「おい!こにゃ!ホワイトってば!起きれにゃ!」
あんずちゃんが窓ガラスをねこパンチで叩いたがホワイトちゃんは、一向にお構いなしに爆睡中のようだ。



クリーニング店から更に進むと、中華屋さんに着いた。店の前にふっくらとしたサビちゃんがお店のオープンを待っていた。
「あにゃ!ななちゃん!食べ過ぎると益々おデブになっちゃうにゃ」
あんずちゃんが声をかけた。
エアコンの室外機の上には、ななちゃんの姉妹の黒白ねこのウランちゃんが見えた。





「そうにゃ!ちくちゃん喉乾かないにゃ?」
あんずちゃんはそう言うと、表通りから狭い路地裏に入った。
そこには、今はあまり見かけなくなった、古めかしい看板が置かれていた。
そこは、『マリン』という店名の古い喫茶店だ。
その看板の脇には小さな花壇があり、その隅に気の箱が見えた。その中から、黒白ねこがにゅうっと顔を出した。
「あにゃ~あんずちゃん、お友だちといっしょお~」
「愛子ちゃん、お水頂戴にゃ」
「にゃ~あ、どうぞお~」
「あんずちゃん…愛子ちゃんてにゃ?」
どう見てもがっちり系の雄猫なのに、あたちは不思議に思って、あんずちゃんに尋ねた。
喫茶店『マリン』の人気者の愛子ちゃんは、最近猫界でも増えてきたお姉系のにゃんこだ。
「あにゃあ~あたしの大好きなお父さんにゃわ~、さにゃあ~お店行かなくちゃあ~」
愛子ちゃんはそう言うと、とても嬉しそうに、店内に入って行った。





喉の渇きを癒したあたちたちは、再びもとの表通りに戻った。
「あんずちゃん、みんなもそれぞれにお家があるんにゃね」
「家というよりはにゃ、あたしたちはこの商店街で暮らしているんにゃ」
「ちくちゃんのように、人間の里親がいて、その人間の家で暮らしていることにゃにゃいんにゃ」
「人間と一緒に生きているってとこは同じにゃけどにゃ」
「ちくちゃんも手術はしたにゃん?」
「手術?避妊手術にゃらしたにゃんよ」
「あんなことは、人間が決めたことにゃ、あたしは、二度とごめんにゃ!」
あんずちゃんが吐き捨てるように言った。
人間と安全に暮らすには、人間が決めたルールに従わなくてならない。
あたちたちは、野生の繁殖機能を失う代わりに安全な生活を手に入れるのだ。
あたちたちは、そんな話をしながらそのまま暫く歩いていた。
その時、あんずちゃんがまた立ち止まった。
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ちくわ

Author:ちくわ
2010年5月生まれ、茶トラのにゃんこでちゅ。好きな食べ物はおでんの汁にゃ。よろちくわ!

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