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がりことぐれ猫たち~猫のルーツとぐれ猫仲間~

すもも
カッコツケマのすももねえさん

こどもの日5チェリー
にゃん格が変わった?チェリーちゃん

この地球上には、たくさんの生物、動物が存在する。
おかしな話しだと思うのだが、そのたくさんの生き物の中では、人間が中心となって存在しているようだ。
動物の分類も人間が勝手に決めその名前をつけた。
あたちたちには、猫という名前がつけられ、他の動物と分類されている。
猫科といわれるものには、アフリカに生息するライオン、チーター、豹、ジャガー、インドなどに生息する虎も大型の猫ということになっている。
あたちは、これらの動物たちをテレビではじめて見た時は、本当にびっくりしたものだ。
百獣の王と呼ばれるライオンの威厳に圧倒され、チーター、豹、ジャガーなどの流れるようなスタイリッシュなフォルムにうっとりし、虎の迫力に唖然となった。
あたちたち猫の起源は、今から1200万年前の存在していたヤマネコという野生の猫である。
そのヤマネコが人間によって家畜化され、人間と暮らすようになった。そして次第にそれがペット化していったと考えられている。そのペットとしての起源は、4000年前、古代エジプト時代にまで遡る。
どうやら、これがあたちたちのご先祖様にあたるようだ。

現代の猫の分類はどうであろうか。
野性の猫という祖先は同じなのに、人間の愛玩用に人為的に交配、繁殖させられ、品種独特の容姿、性格が作られ、ペットショップなどで販売されている純血種と、人の手によること無く外で暮らしている野良猫が自然に交配、繁殖していった野良猫というものに分類される。
野生の猫も希少だが存在している。日本では、八重山諸島の西表島に生息するイリオモテヤマネコ、長崎県の対馬に生息するツシマヤマネコというのがそれだ。これらは絶滅危惧種に指定されている。


ペット用に人為的に作られた猫は、純血種といって生まれた時から保護された環境下にあり、野性の本能が薄れている。
それに比べ、野良猫は外で生活するため危険と常に隣り合わせであり、野生の本能が強く残っている。
野良猫にの母親は、仔猫を産み暫くの間は共に行動し面倒をみるが、生後2ヶ月を過ぎた頃には、仔猫は親離れを促され自立していかなくてはならない。ここからは、一人立ちして人間社会の中を生きていかねばならないのだ。
だから、純血種のようにのほほんとは暮らしていけないのである。
あたちもあたちのおともだちも生まれは野良猫である。
ペットショップなので売られている純血種の猫たちは、生まれが確かな素性の良い猫だ。人間で喩えるなら、お家柄の良いお嬢ちゃま、お坊ちゃま、家系図ならぬ身元が保証された血統証がある。


それに対して、あたちたちのような野良の家柄は、先祖代々野良で生まれたのはそこいらの野原とか河原とか、公園とかどこかの家の軒下などだ。誰が親だったかさえわかりもしないのだから、当然、家系図なんて存在することはない。
あたちたちは、そんな野良猫のことをお育ちの良い血統証付き純血種の猫に対して、『ぐれ猫』と呼ぶことにしている。

あたちがボランティアに通う『ファミリー動物病院』は、野良猫の保護施設のようなもので、あたちたちの間では、ここを『ぐれ猫病院』と呼んでいる。病院は、春と秋の野良猫の出産シーズンになるととても大忙しだ。野良猫の仔猫たちがたくさんここに連れて来られるからだ。
この病院の先生は、前にも話したが野良猫にとても優しい。
ここに来た猫たちは、まず悪い病気がないかどうか先生の診察を受け、蚤や汚れをきれいにするためシャンプーをし、ご飯をいただき、里親が見つかるまで保護してもらうのだ。
そのような先生の無償の活動がいつしか口コミで広がり、今ではこの近所の人たちの手によって、自然に仔猫たちが集まって来るようになった。
そんなわけであたちもお友だちも仔猫の時にここへ来て、人間の里親が決まり、家猫として人と暮らすようになったのだ。

家猫になる経路は、ペットショップやブリーダーで販売されている純血種が人間に購入されていくものと、あたちたちのような野良猫に里親がつく場合がそれだ。
このような家猫に対して、外で暮らす飼主のいない猫のことを総称して野良猫と呼んでいる。
家猫の生活は、家の中でだけ過ごしている内猫と、あたちたちのように自由に外に出掛けていく外猫がいる。
あたちとお友だちたちは外猫で、このように外出してお互いの情報交換やコミュニケーションをとっている。
その様子は、人間の誰が言ったかわからないが、『猫の会議』といわれているようだ。
夕方になると公園や空地などで数頭の猫が集合しているが、それがこの事を指しているのだ。
そこではあたちたちは、いろいろな話をする。
最近の流行、里親の愚痴、趣味、猫の生き方、すずめの捕り方など、その話題は多岐にわたっている。時には、気になる女の子や男の子など、恋愛話も話題に上がる。
猫は、人間が考えている以上にインテリジェンスに富んだ高等動物なのである。

あたちたちぐれ猫仲間が集まる場所は決まっていて、その一つに寿司屋がある。
それは『さくら寿司』という宅配の寿司屋で、店の配達用のバイク置場になっている駐車場があたちたちの集会場だ。
ここは、寿司屋なのであたちたちの大好きな魚がたくさんあって、うれしいことにここのバイトのおねえさんとお兄ちゃんは、野良猫に優しく寿司ネタの残りのお魚をくれるので、あたちたちにとっても都合の良い場所なのである。

それでは、あたちたちのある日の『猫会議』の様子とあたちの仲間を紹介することにしよう。
あたちは、この日はあ~ちゃんを連れ立ってここにやって来た。
あ~ちゃんは、あたちの家の大家さん家に飼われている猫で、あたちの家とあ~ちゃんの家は隣同士であるので、今日は誘い合わせてやって来たのだ。
駐車場には、すももねえさんの姿があった。見ると大好物の中トロの端切れを美味しそうに食べている。
「あにゃ、しももねえさん、こんにちにゃ」
あたちの声に振り向いたすももねえさんが言った。
「にゃ、にゃ~あ!ちくわ!あたしは、すももにゃ~、しももにゃにゃいにゃ!」
「シャ!呼ぶなら、シモーヌにゃ!」
あたちは、2才になるが舌足らずですももをしももと発音してしまう。
すももねえさんの言う『シモーヌ』というのは、自分で決めた本人こだわりの名前だ。
すももねえさんは、あたちたちのグループのリーダー的な存在で、あたちと同じぐれ猫病院出身のあたちの一年先輩になる。

洋服を着せられショックを隠せないすももねえさん

毛色はキジトラ模様にサビのオレンジが全体にかかっていて、いかにも一筋縄ではいかない様子がうかがえる。
性格はキジトラのキツイ性格よりも、臆病なサビの性格が強そうだ。小さな物音でもびっくりしてその場で30センチは飛び上がるし、家に里親以外の人が来た時など、忍者のように低い姿勢でささっと隠れる。その様子は、この前テレビで見た自衛隊の匍匐前進のようだった。以前そのことが話題になり、みんなで揶揄したら本気で怒っていた。かなりの見栄っ張りでもあるが、どこかずっこけていてユニークだ。
特技は、絵を書くことで、美術のウンチクを語る。
大好きな里親のおねえちゃんがイラストレーターで、そのおねえちゃんの膝の上で絵を描くのを見ていたら、すももねえさんも絵が書けるようになったという話だ。家には、美術の全集があり、それらから美術の知識もたくさん得たようである。
そういったわけで、自称芸術家を気取っている。
『シモーヌ』という名前は、いかにもフランスっていう感じで、一言で言うなら『フランスかぶれ』ってとこだ。
頭頂部に黒の虎模様がくっきりと浮き出して見える。他の猫たちに言わせると、あれは『ハゲのカツラ』だと言われているが、本人はこう言って自慢している。
「あたしは、アーティストだからにゃ!これは、ベレー帽にゃんよ!」
すももねえさんにすれば、芸術家イコール画家、画家イコールベレー帽、こんな図式になるのだろう。
本当に、おかしなニャンコなのだ。

ハゲのカツラ?ベレー帽

「ちくわ!いったいあんたの舌足らずはいつ直るんにゃ!」
すももねえさんは、そう言うと今度はあたちと一緒にいたあ~ちゃんを見た。
「にゃ~あ~ちゃん、相変わらずデブにゃ、この前言ってたダイエットはしてるんにゃ?」
「あにゃ~すもたん、良い物食べてるにゃ~、あたしにも頂戴ぶにゃ!」
すももねえさんがご自慢の長い尻尾を振っているその隙に、あ~ちゃんが中トロを横取りした。
「こにゃああああ~、あ~ちゃん何するにゃ!」
「ぶにゃぶにゃ…、にゃ~これは美味しいにゃ、お魚のダイヤモンドにゃ…ぶにゃ」
あ~ちゃんは、美味しい中トロをあっという間にひと口で平らげ、幸せそうに感想を述べた。


食いしん坊のあ〜ちゃん

あ~ちゃんは茶トラのデブ猫だ。
茶トラなのだけど、お腹は丸い大きな渦模様となっている。これはアメリカンショートヘアの模様なので、どうやらあ~ちゃんは、アメショーと茶トラのハーフのようだ。
食べるのが大好きで、運動は大嫌い、その結果、おデブちゃんとなった。見るからにほのぼの癒し系ニャンコだ。
一応、グルメレポーターのつもりらしい。さしずめ猫界の彦摩呂か石塚ってとこだ。
食べるだけじゃなくて料理もする。いろんなキャットフードをミックスして新しい味を作る。人の食べる食材も盗んでアレンジするが、それがなかなかの好評を得ている。
「ちくわ、チョコねえさんはどうしたにゃ?」
気を取り直して冷静を取り戻した、すももねえさんが言った。
「チョコねえさんは、近所の見廻りに行ってるにゃ」
チョコねえさんは、あ~ちゃんと一緒の家に住んでいるキジトラ猫。
毎日縄張りの見廻りに出掛けて行く。よく怪我をして帰ってくることもある。いつかなんかは、顔面が腫れ凄い顔をしていたことがあった。聞くと雄猫と張り合って、顔面パンチをくらったということだった。そんなことがあっても全然めげる様子もなく、翌朝、何もなかったように出掛けて行くのである。これは、後日談であるが、その顔面パンチをくらわされた雄猫には、しっかり仕返ししたということだ。雄猫の急所に噛みついたらしい、半沢直樹もどき倍返しだ。
野生の本性で狩もする、前にモグラを取ったと言っていた。毎日出歩いているので、いろんなことを知っている情報通で、あたちたちの中では、最年長の経験豊富なニャンコだ。

雄猫にも闘いを挑む勇ましいチョコねえさん

「にゃあ~、ねえ、ねえ~みんなぁ、聞いて、聞いてにゃ!」
チェリーちゃんが慌ててやって来た。
「あにゃ、こんにちにゃ、チェリーちゃん!一体どうしたにゃん?」
「にゃ、聞いてにゃ…ちくちゃん、にゃ、その前にお腹空いてるから、何かもらってくるにゃ」
チェリーちゃんはそう言うと、寿司屋の厨房の入口までかけて行った。
チェリーちゃんもぐれ猫病院出身で、あたちの一年後輩になる、キジトラの女の子だ。
チェリーちゃんのお母さんは、ぐれ猫病院の近くにある小さな商店街の地域猫で、チェリーちゃんも病院で避妊手術が終わり、この商店街に戻されることになっていた。病院でとても良い子にしていたチェリーちゃんだったので、先生が商店街に戻すことを躊躇していた時に、里親が決まったのだ。右の耳が鋭角にカットされているのは、手術が済んだ目印だ。
生粋のキジトラなので、動きはとても俊敏で頭の回転も早い。
里親の家では、一階から三階まで一気に駆け上がり体を鍛えている。水にも興味があるようで、家のトイレの便器に飛び込んでは水遊びをしている。
バイトのおねえさんから魚をもらったチェリーちゃんが戻ってきた。
「ふにゃ~あ、にゃ、美味しいにゃ…生のお魚は、最高にゃね…」
よほどお腹が空いていたのか、チェリーちゃんはお魚を一気に平らげると、さっきの話の続きをはじめた。
「ねえ、ねえ、うちの里親なんだけどにゃ…単純で困るにゃ…」
「うちのおばちゃんもすごい単純にゃよ」
「ちくちゃん、うちのはにゃ…生命に危険を及ぼすほどの単純にゃのよ!」
チェリーちゃんは、少し大袈裟な所があるので話は半分だとしても、これは何かあるらしかった。
「ニャンコってさ…気ままだから、ご飯は食べたい時に、食べるにゃよね」
「シャ!そうにゃ!そんなことは、ニャンコの常識にゃ」
「あたしは、猫懐石しか食べにゃいけどにゃ、シャ!」
「そうでにゃよねえ~すももねえさん。でもうちの里親ったら、それがわからないらしくてにゃ…」
「にゃにゃ、チェリーちゃん、それはどういうことにゃ?」
「うちの里親ご飯出すでしょ、それをにゃ、その時に全部食べないと食欲がないと思うらしくてにゃ、後で食べようと残しておいた物をきれいに片付けちゃうにゃ」
「お陰であたしは、このところいつも腹ペコにゃんよ…」
「にゃにゃにゃ!それは、困ったにゃね。そういえば、チェリーちゃん、最近少し痩せたみたいにゃ…」
「顔つきもぐれ猫病院で始めてに会った時より、鋭くなった気がするにゃ」
「うちはたくさん人間が来るからにゃ、落ち落ちとはしていられにゃいんにゃ…しっかりしないとにゃ」


にゃん格変貌前?のほほんチェリーちゃん


「シャ!家にたくさんの人間が来るにゃって!恐ろしいことにゃ!くわばらくわばら…とんでもにゃいわ!」
臆病なすももねえさんが思わず言った。
見知らぬ人間が、あたしたちを見に家にやってくることがある。
その人間は、あたしたちの恐怖に一向にお構いなしに、なでたり抱っこしたり、本当に迷惑極まりない話しだ。
あたちたちはみんな、大なり小なりこんな里親にはそれぞれ悩まされている。
そこへトムくんとジジくんがやって来た。
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ちくわ

Author:ちくわ
2010年5月生まれ、茶トラのにゃんこでちゅ。好きな食べ物はおでんの汁にゃ。よろちくわ!

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