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がりことぐれ猫たち〜がりこの運命〜

チェリーちゃんの話によると、寿司屋の側を通ると、人だかりがしていて、不思議に思い近くまで行って様子を見ると、一台の車の前に倒れているがりこを見たとのことだった。
あたちたちは、寿司屋へと続く秘密基地の前の農道を急ぎ足で駆け下りて行ったのでした。



農道を下り、小学校の体育館の脇の狭い獣道を抜け、コインパーキングの駐車場に出る。そこを突っ切ると、寿司屋の前の車道に出る。そこから少し下った十字路の門にゴミ置き場があり、そこまで来ると、人だかりが目に入ってきた。

「あにゃ…さっきよりも人が増えてるにゃ…」
チェリーちゃんが人だかりを見て言った。
「にゃあ!パトカーも止まってるにゃ…警察が来てるようにゃね」
「何か…やっかいなことになってるようにゃ…」
チョコねえさんが心配そうに言った。
「しももねえさん、がりこしゃんは、死んじゃったんにゃ?」
「うんにゃ…ここからだとわからにゃいから、もう少し側まで行ってみるにゃ」
「みんなで行くと目立つから、あたしとちくわの二人で近くまで行ってみるにゃ」
「ちくわ!さあ行くにゃよ」
「にゃにゃ…」
あたちはすももねえさんの後に続いた。

人だかりがあるのは、がりこの面倒を見ている設備会社の事務員のヨウコさんのいる事務所の前でした。
見るとその輪の中にヨウコさんの姿もあり、警官と何やら話をしていました。
がりこは、その警官の足元に横たわっていました。

「しももねえさん…やっぱり…がりこしゃんは…」
あたちがそう言いかけた時、がりこが少し頭を持ち上げました。
「にゃにゃ…、ちくわ、死んでにゃいにゃ…大丈夫そうにゃ…」

がりこを取り囲んで、みんなが話をしているのが聞こえてきたました。
その場は、警官と一触即発の緊迫した状況で、ヨウコさんを中心に警官に詰め寄っていました。

「どうしても、連れて行くというんですか!」
「そう言われてもですねえ〜、こちらに住民の方から通報があったのでねえ…」
「何もなかったことには…できないんですよ…、はあ…」
「ここでみんなで面倒を見ていたんですよ!」
「そんなに長くないんだから、ここで暮らしてあげさせることくらい、何ということもないでしょ!」
「う〜ん、この中の、どなたが責任を持って飼っているわけでは、ないのですから…」
「連れて行ったら、殺されてしまうんでしょ!」
「それをわかっていて…連れて行くって言うんですか!」
「はあ…そう言われましても…、あなた方のお気持ちはわかりますが…」
「このままでは…危ないですし…」
「う〜ん…そうですねえ〜…捕まえに来たが…逃げてしまったことにでも…」
ワイワイ、ガヤガヤ…
警官が何とか打開策を提案したのですが、肝心のがりこは逃げるどころか、その警官の足元で、誰にでもするように寄り添っている。
結局、集まったみんなの願い虚しく、がりこは、警官に連れて行かれてしまうことになってしまったのです。
警官は車の後部座席に置かれた段ボール箱をパトカーから取り出しました。
そして、その箱の中にがりこを入れたのでした。

「しももねえさん!がりこしゃんは連れて行かれちゃうにゃ!」
「シャ!どうすることもできにゃいにゃ!」

ガリコ道路

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がりことぐれ猫たち~心配ごと〜

あたちの住んでいる町は、都心から通勤県内の地方都市にあり、庶民的な商店街が有名な小さな町である。少し足を伸ばせば、田畑の広がる田園地帯もたくさん残っていて、今ではすっかり寿司屋の駐車場でアイドル化したがりこに、その場を奪われたしまったあたちたちは、こののんびりとした田園地帯にある通称「秘密基地」と呼んでいる場所に集まることが多くなった。
人通りのほとんどない林道を抜け、畑にある壊れたビニールハウスは陽当たりが良く、ここがあたちたちの秘密基地だ。







ここは、日常の騒々しさから離れ、綺麗な空気と緑に囲まれた、日頃のストレスをリセットできるリラックスできる所で、お腹かが一杯になった後のお昼寝には絶好の場所なのである。

あたちとすももねえさんがうとうとし始めた時、ジジくんとトムくんがやって来た。
「すももねえさん、ちくちゃん、こんにちにゃ」
「にゃ〜あ、お二人さん、お揃いで」
「にゃにゃ、ジジくんトムくん、こんにちにゃあ」
お昼寝タイムを邪魔されたすももねえさんは、少し不機嫌そうにあくびをしながら返事をした。
「シャあ…ふにゃあ〜」
そこへチョコねえさんとあ〜ちゃんもやって来た。少し遅れて、ももかちゃんも来た。
みんなで車座になって、いつものように賑やかに井戸端会議が始まった。

今日の話題の中心は、寿司屋の集会場に現れたあの猫の話だ。
あの猫が現れたあの日から、何度か様子を見に行っているチョコねえさんの情報によると、あの猫はあの場所を住まいとしていること、あの辺りの人間に“がりこ”と名付けられ可愛がられていることを聞いた。

「にゃにゃ〜あ、“がりこ”だってにゃ」
「にゃ、あの猫にはピッタリな名前にゃね」
「あの顔といい、痩せこけた身体といい、いったい何者にゃんにゃ?」
「しっかし、かなりの…個性的な子にゃわ」
「あたしの長いにゃん生でも、一度もお目にかかったことがにゃいわ」
すももねえさんとももかちゃんの話にチョコねえさんが続いた。
「何か病気にかかっていることは、確かですよにゃ」
「あのままだとそんなに長くないよにゃ…」
トムくんとジジくんが言った。
「シャ!チョコねえさん、それにしても、あそこにいったいいつまで居座る気にゃんにゃ」
「すもちゃん、あの辺りの人間にご飯もらって生活するつもりにゃから、ずっといる気にゃんよ」
「ぶぶぶにゃあ〜そんな困るにゃ、ぶにゃ…美味しい物いただける場所にゃのに、ぶにゃあ」
あ〜ちゃんの心配は、そちらのようである。
「しかしにゃ、いったい、がりこは、何処から来たんにゃろ?」
「あのあたりの野良猫でないにゃ」
あのあたりの野良猫事情に詳しいチョコねえさんが言った。
「あたちたちのような家猫にゃんにゃろか?」
「ちくわ、家猫なら家に帰るだろうけど…一日中、あそこで過ごしてるにゃ」
「あいそがいいから、人間に取りいるの上手なようだし、あたしには真似できにゃいにゃ」
臆病なすももねえさんが言った。
「にゃ〜それにしても事情はありそうですね」
「ジジ!実は、どこかのお嬢様にゃんてにゃ」
「にゃにゃにゃ…にゃいにゃい!あれは、婆さん猫にゃにゃいの…」
「にゃにゃ…いずれにせよ、ボクは興味なしにゃ」
「にゃあ〜ジジくん、あたちには、生まれて1年以内の子どもか年寄りかどっちかわからなかったにゃいにゃ」
「本人に聞けばいいんにゃけど…あたしもあの蚤の凄いはにゃ…」
「下手に近づけにゃいんにゃ」
「蚤は恐ろしいにゃ、一匹住み着くと、あっという間に増えて、そにゃあ、大変にゃ」
チョコねえさんが答えた。
「シャ!、今にも死にそうにゃし、あんな状態で、何で人間の前に現れたたんにゃ」
「すもちゃん、それを考えると、人間と一緒に暮らしていた、家猫にゃろね」
「婆さんだから、呆けて帰る家がわからなくなったんにゃにゃいの」
「う〜シャ!婆さんだからって、呆けるとは限らんにゃ!」
ジジくんの話にチョコねえさんが反応した。
「シャ!、がりこがいる限り、あそこへは近づけにゃいことは確かににゃ」
「あのヨタヨタ歩きは、車に轢かれるにゃ、心配にゃね」
「ももかちゃん、そうにゃ、心配にゃ」
「ぶにゃあ〜お魚食べれないのは、重大な死活問題にゃ、ぶにゃあ〜」
「あ〜ちゃんは、やっぱりそこにゃ」

「みんにゃあ〜大変、大変にゃあ!」
みんなでがりこのことを話している所にチェリーちゃんが慌ててやって来た。
「にゃにゃ〜また始まったにゃ、チェリーちゃんの大変!」
「いったい、どうしたにゃ?」
慌てて駆けてきたので、息が切れているチェリーちゃんにジジくんが言った。
「あの寿司屋のニャンコが車に轢かれたにゃんよ!」
「シャ!にゃんだって!」
「にゃにゃ〜!」
「にゃにゃ〜今心配してたとこにゃん!」
あたちたちは、寿司屋の集会場向かうことになったのだ。


がりことぐれ猫たち〜猫の生き方〜



サブローさんは、他の猫たちより体格がひと回り大きく、骨格もがっしりとしている。顔面には、大きな傷痕があり、ドスの効いた低い唸り声と合わせて、一目でその筋の猫を思わせた。その筋の猫とは、この辺りで縄張り争いをしている野良猫ギャング団だ。
見ると4、5匹の子分たちを従えているので、その風貌といいギャング団の親分であることが見てとれた。

「うう~うぎゃあ~」
先に猫ばあの用意したご飯を食べていた猫たちは、サブローさんが一声唸ると、慌ててご飯の前から退いた。

あたちもサブローさんに少しビビっていたが、あんずちゃんは、それに一向にお構いなしでいるので、あたちもそれに従って、様子を見ていた。

「にゃぎゃあ!あんずじゃねえか」
「その一緒にいるねえちゃんは、どこのどいだ?」
サブローさんがあたを見てそう言ったので、慌てて挨拶をした。

「こ、こんにちにゃ、あ、あたちは…ちくわにゃ…」
「にゃぎゃあ!ちくわだって?…なんじゃ、そのひ弱そうな名前は!」
ビビっているあたちに、あんずちゃんがこっそり耳打ちした。
「サブローさんは、強面だけどにゃ、女には優しいにゃよ」

サブローさんはご飯を食べ終えて、その場に横になって満足げにくつろいでいる。それに引き続いて、子分たちが食べ終え、またその残りを食べ終えた他の猫たちが、ひと息ついて、そこで井戸端会議が始まった。
あたちたちの寿司屋の集会場と同じで、どこにも見かける光景だ。

違っているのは、ここの猫たちはあんずちゃんのような地域猫ではなく、見ると耳カットがないので、みんなは本来の野良猫のようだ。

「最近、弁当屋の三兄弟の姿見ないにゃ?」
「にゃにゃ~、知らないんにゃ?」
「この前、保護センターに連れて行かれたにゃよ」
「にゃにゃ〜センターにゃんて…恐ろしい話にゃ…」







駅に続く大通りに面した所にあるお弁当屋さんに、野良猫の三兄弟が住み着いた。
ビルとビルの隙間に潜んで、通りを通る人間に物乞いして、食べ物を得ていた。暫くして区役所の人間が捕まえに来て、保護センターに連れて行かれた。

「にゃ、保護センター?ずっと安心して暮らせるにゃ」
あたちはこの時、保護センターの現状を知らなかったので、安心して暮らせるものと思ってそう呟いた。
「ちくちゃん、にゃに!言ってるにゃん!」
「保護センターって言っても、一時保護されるだけで、現実はとても厳しいにゃんよ」
「あんずちゃん!それってどういうことにゃ?」

人間の世界には、法律という決め事があり、それに従って生活をしている。あたちたち動物に関しては、『動物の愛護及び管理に関する法律』というものに詳しくその処遇などが決まっているのだ。
所有者の不明な野良猫、迷い猫、犬、その他動物などは拾得物扱いとなり、一旦行政が引き取りをする。その後、それらの動物は、『動物愛護センター』『動物保護センター』で保護されることになる。そこで、それらの保護された動物の所有者である飼い主からの連絡を待つことになるが、連絡がない場合は、新しく里親を探すなどの活動も行われるが、そのほとんどは殺処分というとても恐ろしい運命を辿ることになる。
ここに連れてこられるのは、野良猫や迷い動物だけでなく、身勝手な飼い主のとても考えられないような事情で、持ち込まれることも多いという話しだ。
日本では、年間に三十万頭近くの猫が処分されている。猫の殺処分の方法は、『ドリームボックス』と呼ばれている収容器に、猫を何匹も入れ、炭酸ガスを発生させて、それを吸うことによって窒息死させるのだ。そしてその焼却処分された遺骨は、産業廃棄物として捨てられるのだ。人間も猫も同じ“いのち”に変わりはないのに、何故このようなことが行われるのだろうか。猫の殺処分が減らないのは、無責任な理由で猫を捨てる飼い主がいることと、不妊、去勢手術をしていない野良猫に餌を与える人間がいることも原因のひとつだ。

あんずちゃんから保護センターの現実を知らされたあたちは、その話を聞いて、恐怖で耳が平らになり、尻尾が丸まってしまった。

「ふう〜ぎゃあ!人間て、なんて身勝手なんだ!」
「自分たちが一番偉いと勘違いしていやがるんにゃ!」
サブローさん怒りをあらわにして叫んだ。それに子分たちが同調した。
「そうにゃ!まったく!ボスの言うとおりにゃ!」
「にゃそう言えばにゃ、隣町で聞いた話にゃけど、猫の撲殺事件が起きているにゃんてにゃ」
子分の一人が、隣町で起こった事件のことを話した。
何頭もの猫が公園で撲殺され、犯人がわからないいまだ未解決の事件だ。
「うう〜ぎゃあ!弱い者への虐待にゃ!」
「俺様のこの顔の傷も…うう…人間にやられた、ぎゃあ!」
「俺たちは、他の動物の生存を脅かすことなどしないぎゃ!」
「お腹が一杯になれば満足にゃ、必要以上のことはしにゃい…そうですにゃ」
「まったく!人間にゃんて、信じるもんにゃにゃいですにゃ〜親分」
「人間も悪い人ばかりじゃにゃいにゃ!」
あんずちゃんがサブローさんたちの話に口を挟んだ。
「にゃんじゃ!あんず!お前だって、人間に傷つけられたんじゃねえか!」
「そうにゃけど、助けてもらったのも人間にゃ!」
「だから、あたちはここで人間と協力して生きていくんにゃ」
「人間と共生だってにゃ!笑わせるにゃ!」
「猫本来の繁殖機能を奪われて、何が共生だ!」
「ううぎゃあ!そんなに人間ってやつは、偉いのか」
「あたちたちは、それに従えば、安心して長く生きられるんにゃ」
「あの感染症の予防注射だってにゃ、あんなもんで長生きしたからって何が変わるんにゃ!」
「おれたちは、一生本来の野良猫のままで生きていくんにゃ」
「たとえ病気になって、短いにゃん生で終わろうともにゃ!」
サブローさんが言い放った。

家猫として人間に飼われると、猫から猫への感染症を防ぐためにワクチンの接種をする。仔猫の時に2回接種する。
生まれてすぐの仔猫は、母親の免疫に守られているが、その効果は暫くするとなくなるので、接種することになるのだ。その後は、1〜3年毎に1回接種していくことになる。
それらの効果もあってか家猫の寿命は確かに伸びている。それと反対に何も行なっていない野良猫の平均寿命は、3、4年と言われているが、これは病気や事故など、野良猫は常に危険と隣り合わせで生活していることがわかる。
人間と関わる猫は、ワクチン他に避妊手術も行う。雌猫は子宮を摘出し、雄猫は睾丸を摘出することにより生殖機能がなくなる。
これらは、人間と共存するために、人間が考えだしたことだ。それを受け入れることで、あたちたちは野良猫は、安心で安全な生活を保障してもらうのだ。猫本来の機能を失う替わり、生活の保障を得ることになる。
ひとつ失えば、ひとつ得る。
ひと昔前に比べ、猫の生き方も多様化してきているのだ。

がりことぐれ猫たち〜強面のサブローさん〜



あたちは、あんずちゃんに先導されて、おばあの八百屋の裏手の住宅街に入って行った。細くなったゆるやかな登り道をしばらく行くと、その道すがらに野良猫が一匹また一匹と現れた。





坂を登りきったその先を見ると、今は閉店して営業をしていないシャッターの閉まったコンビニが見えた。その店の前は小さな広場になっていて、コンビニの他にやはり閉店している食堂と薬局がある。近くには、大きな団地があるので、昔は団地に住む人たちで賑わっていた様子が想像できたが、今は高齢者が大半となったこのあたりは、活気が感じられないゴーストタウンのようだ。
その広場には、数頭の猫の姿があった。それは何かを待っているような様子である。
その時、自転車に乗ったおばさんが現れた。その姿が現れたと同時に、どこに隠れていたのか、更に数頭の猫が現れ、そのおばさんを取り囲んだのだ。

「ちくちゃん!猫ばあにゃ!」
「ねこ?ばあ?」
「あたしたちは、大歓迎にゃけだにゃ、人間の間では、問題ばあさんにゃそうにゃ…」

そのおばさんは、自転車から降り、スーパーなどで使っている白いパックの容器を何枚も取り出した。そして、それを素早く地面に並べ、その中にキャットフードを次々に入れている。
猫ばあは、皿にキャットフードを入れ終わると、その容器をそのままにして立ち去っていった。
猫たちがいっせいに、それに群がった。

「ちくちゃん、あたちたちも食べようにゃ!」

あたちたちが、猫ばあの用意したご飯を食べ始めた時、遠くから猫の威嚇した鳴き声が聞こえてきた。

「うう~シャあ~、にゃあ~ご」

群がってご飯を食べていた猫たちが一瞬ピクっとなって、食べるのをやめた。

サブローさんがやってきたのだ。





プロフィール

ちくわ

Author:ちくわ
2010年5月生まれ、茶トラのにゃんこでちゅ。好きな食べ物はおでんの汁にゃ。よろちくわ!

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