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がりことぐれ猫たち~ボロ雑巾の地域猫~



「なあ…なあ…なあ…」

鳴き声のする方に振り返ると、道路を挟んだ向こう側の古い民家の玄関先に、薄茶色の物が落ちているのが見えた。
それを暫く眺めていると、その物体は少し動いたので、あたちはびっくりして声をあげてしまった。
「あにゃあ~何にゃんにゃ?あれにゃ!」
あたちが叫んだのを聞いて、みんなは一斉に振り向き、その怪しげな物体を見ました。
「ちくちゃん!いったい、どうしたにゃんか?」
ジジくんが言った。
「あの変な物が動いたにゃ!生き物みたいにゃんよ」
「シャ!生き物だってにゃ!ただのぼろきれにゃん」
「にゃあ~すももねえさん、あれは誰かが捨てたボロ雑巾にゃよ」
「にゃにゃ…臭そうにゃ、とっても生き物には見えにゃいにゃ」
「ちくちゃん、あれがほんとに動いたにゃ?」
「そうにゃ、チェリーちゃん、あたちにはか細く鳴く声も聞こえたにゃ」
その時、そのボロ雑巾がゆっくりと立ち上がった。
「にゃにゃにゃ~、ボロ雑巾が動いたにゃ!ボロ雑巾が生きてるにゃ」
「雑巾が生きてるわけにゃいでしょ!あれは、なにかしらの生き物にゃ」
チェリーちゃんがそう言ったのを聞いてチョコねえさんが答えた。

ガリコ道路
瀕死のがりこ

立ち上がったボロ雑巾のような生き物は、こちらに向かってゆっくりと歩き始めました。
その怪しい生き物は、歩くのもやっとのようで、少し歩くと息があがっていました。
そしてあたちたちのいる場所に近づいて来ました。
「にゃにゃ~、血が出てるにゃん!」
「本当にゃ、怪我しているにゃ!」
「にゃ,車に轢かれてしまったんにゃ?」
「にゃあ~その身体、いったいどうしたんにゃ?」
「にゃにゃにゃ!凄いにゃん相にゃ!びっくりにゃ」
みんなはその生き物を目の当たりにして騒然となりました。
そばに来たそのボロ雑巾の正体は、傷だらけでガリガリに痩せ細った猫だったのです。
「ハアハア、ゼコゼコ、なあ、なあ…」
「み、み、水を…、ち、ちょう…だい…ハアハア、ゼコ、ゼコ…」
その猫は喉が渇いていたのか、あたちたち用に寿司屋の駐車場に置かれた水を見つけると、側にいるあたちたちには目もくれずにその水を飲み始めました。


脱水症状から水を欲するがりこ

あたちと同じ茶白のその猫の身体は、あばら骨が浮き出しているほどにガリガリに痩せ細っていました。
全身の被毛は薄赤い色でベットリと固まっていて、事故か何かにあって流血しそれが固まってしまったように思われました。




その顔も凄まじいものがありました。
目は般若のお面のような黒目のない白目をむいた細い目、歯が抜け落ちたため舌先が飛び出ている口元。鼻のあたりは強打したのか腫れているようで、傷跡もいくつかありました。
そのはまるで、試合でボコボコに殴られた後のボクサーの顔みたいで、あたちには、手塚治虫の漫画に登場するギャグキャラクターのヒョウタンツギを連想させました。



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手塚治虫の漫画に登場するヒョウタンツギ(ガリコイメージ)

「あんた!いったいどうしたんにゃ?」
チョコねえさんがその猫に声をかけました。
その言葉が聞こえているのかいないのか、ぼろ雑巾猫は、あたちたち一人一人をその細い目で見やりました。
その時、その猫の身体から無数の蚤が飛び跳ねました。
よく見るとその身体には、恐ろしいほどの数の蚤が蠢いていたのです。
「わあにゃ~蚤にゃん!しかも凄いたくさんにゃ~」
「やばいにゃ~移るにゃ~」
「わにゃ~あたしの所に近寄らないでにゃ」
「わにゃ~あっち行ってにゃ!」
「ぼ、ぼくに寄らんでにゃあ~」
「シャ、シーシー、あっち行ってにゃ~にゃあ~みんなあ~逃げろにゃ」

蚤が蠢いていたのを見たあたちたちは、移ったら大変とパニックに陥りました。
そして、あたちたちはその場から我先にと一目散に逃げて行きました。
その場に一人残ったボロ雑巾猫は、水を飲み終えると疲れたようで、そのまま倒れ込んでしまいました。


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がりことぐれ猫たち〜ねこカフェVS駄ねこカフェ3

遅れて来たももかちゃんも加わり、話は「猫の芸」という話題になった。

世の中には、芸をする猫がいる。テレビのコマーシャルで活躍している猫もいる。
猫の芸で有名なのは、通称『猫サーカス』と呼ばれている、ロシアの『ククラチョフ猫劇場』だ。
ここのにゃんこたちは、とにかく凄いのだ。
逆立ちをし、乳母車を押し、スケボーに乗り、そして圧巻なのは、体操選手ばりの平行棒をする。
この猫サーカスは、何年か前、日本での来日公演があった。

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「にゃにゃ〜あれは凄かったにゃあ〜」
「にゃにゃ…、ちょこねえさんは、サーカスを見たにゃん?」
「そうにゃ、芸事の達者なにゃんこたちを見た人間は、びっくりして、口あんぐりにゃ」
「それが、やたらおかしかったにゃ」
年長のチョコねえさんは、ライブでこのサーカスを見たのだ。
「にゃにゃ〜あたしもやってみたいにゃ!平行棒!」
最近、体を鍛えているチェリーちゃんが言った。
「にゃにゃ〜あたしは、断然ダンスがいいわにゃあ〜」
ももかちゃんがその場でダンスした。
「にゃあ、ももかちゃん上手にゃ!」
「ちくちゃんも踊ってみたらいいにゃ、楽しいにゃ」
「にゃ、しももねえさん、どうにゃ、あたちたちも何か芸をしてみるにゃ?」
あたちは、退屈そうに顔を洗っているすももねえさんに言った。
「シャ!人間を喜ばすために芸をするにゃんてにゃ…アホらしい!」
「にゃにゃにゃ、二人にピッタリの芸があるにゃ!」
あたちたちの話を聞いて、なにかしらひらめいたらしいジジくん言った。
「ジジくん、その芸ってにゃんにゃ?」
「ちくちゃん、それはにゃ、染之助、染太郎!」
「ジジくん、『おめにゃんとうございま〜す』って、お正月によく見かけていた芸人さんのにゃ?」
「そうにゃん、すももねえさんが傘廻して、ちくわちゃんが助手して…」
「どうにゃ、日本猫のぼくらにはピッタリにゃん」
「シャ!傘を回すだって…そんなことは、あたしには簡単過ぎて物足らないにゃ!」
「それよりにゃ、あたしにはもっと凄い芸があるにゃ!」
「にゃにゃにゃ〜、もっと凄いことにゃんて、さすがしももねえさんにゃ」
あたちは少し不信に感じたが、とりあえず感心を示した。
他のみんなも一応興味をしめしたようだ。
「にゃにゃあ〜初耳にゃ、すももねえさんに芸があるにゃんて…」
「にゃにゃ、それは、にゃんにゃんにゃ?」
「すもちゃんのことだから、きっと誰もできないことにゃね」
一体それは何なのだろうかと、みんなは、すももねえさんの言ったことにざわついた。
それが一旦、落ち着ついた折り合いをみて、すももねえさんが答えた。
「シャ!このあたしの芸はにゃ…」
あたちたちは、すももねえさんに注目した。
「臍で茶を沸かす!」
「…………」
「あにゃ、さむ…、また、やらかしたにゃん」
あたちは心の中で呟いた。
毎度のことだが、あたちたちは、さむ〜いすももねえさんのギャグにドン引きした。

姉妹芸猫

「それにしてもにゃ、あたしたちにもできるんにゃにゃいの?」
チェリーちゃんが寒い空気を察して、話題をもとの『ねこカフェ』の話に戻した。
「チェリーちゃん、にゃにがにゃ?」
「ちくちゃん、『ねこカフェ』で働くことにゃ!」
「にゃにゃ〜そうにゃよ、一度はやって見てもいいかもにゃ」
ももかちゃんが賛同した。
「しかもにゃ、あたしたちには、『ねこカフェ』の高級猫ちゃんたちには、到底、真似のできない芸もあるしにゃ」
ももかちゃんが、またその場でダンスした、
「にゃ、高級猫ちゃんたちがしている人間の相手なら、あたしたちだっていつもしてることだしにゃ」
チャリーちゃんとももかちゃんで話が盛り上がってきたところに、トムくんとジジくんも続いた。
「そうですにゃ、何か特別なことをするわけじゃにゃいですにゃ、にゃあ〜ジジ?」
「そうにゃ、ぼくだって、人間と遊ぶなんてわけにゃいにゃ」
「にゃあ〜でもにゃ、できるなら、にゃんこのかわゆい子と遊びたいけどにゃ…」
「あそこのミルクちゃんは、かわいかったにゃ…」
ジジくんが『ねこカフェ』のミルクちゃんを思い出して呟いた。
「『ねこカフェ』で働くにゃんて、優秀なあたしたちにすれば、実に簡単にゃことにゃ!」
すももねえさんは、何の根拠もなしに自信たっぷりに言い放った。
どうやら話の展開は、あたちたちも『ねこカフェ』で働くことができるということになってきている。
「そんなことはにゃ、考えれば考えるほど…実に簡単過ぎてにゃ」
「それこそ、おかし過ぎて…これがほんとの…」
「シャ〜!『臍で茶が沸く』にゃ!」
「ぶにゃ…」
すももねえさんの二度目の寒いギャグは、今日何匹目かのお魚を頬張っているあ〜ちゃんにだけ、今回は少しだけうけたようである。
ともかく、あたちたちぐれ猫は、野良といえどもプライドが高い生き物である。
血統書付きの高級猫ちゃんたちには、どうしても負けたくないのだ。
そして話は、みんなで『ねこカフェ』をやったらどうかなどという話に飛躍していった。
あたちは、みんなのそんな盛り上がりをよそに、ひとり想像してみた。
みんなで『ねこカフェ』をやったらどうなるのかと。
そしたら、その瞬間、とてもおかしくなって、思わず噴き出しそうになってしまった。
みんなは、重大なことを忘れているではないか。
あたちたちの出は野良猫である。野良猫は人を怖れるのが普通だ。野良猫でも人に慣れきっているものもいるが、あたちたちは、里親や見慣れた人間以外には、人に恐怖を抱くのだ。
そんなあたちたちで、「ねこカフェ」をやったらどうなるのか。
『ねこカフェ』の店内は、シーンと静まりかえって、人間の相手をするものなど誰もいないだろう。
まず、自信たっぷりな言動と裏腹の、本当は臆病なすももねえさんは、自分の気配を消してお忍びのように隠れて出てこない。このあたちも超びびりだから、おばちゃん以外の人間に無理やり抱かれれば、恥ずかしい話だが怖くてウンチのお漏らしをしてしまう。あ〜ちゃんは、ご飯を必要以上に食べる以外は何もしないし、最年長のチョコねえさんは凶暴だから、人間を歓迎するどころか威嚇し、引っ掻くだろう。
ジジくんは、牝にゃんこ以外には興味を示さないないので、退屈で天井裏に隠れて出て来ない。
チェリーちゃんはトイレに隠れて、水遊びをするから床をビショビショにして暴れるだろうし、ももかちゃんだって、ダンスを披露するどころか、部屋を駆け回って逃げ回ることだろう。
唯一、真面目なトムくんだけは、挨拶だけには出て来るだろうけど。

これでは、『ねこカフェ』じゃなくて、『ダメねこカフェ』になる。
店名は、そうだな、ダメ猫のカフェだから、『駄ねこカフェ』にするといい。

「ちくわ!あんた、何ひとりでニヤニヤしているんにゃ?」
「にゃ、しももねえさん。あたちたちの『駄ねこカフェ』…にゃ、『ねこカフェ』を想像していたら、とってもおかしかったんにゃ」
「『駄ねこカフェ』?にゃって…、にゃんにゃ、それ?」

その時、あたちは、何か声のようなものが聞こえた気がしたので、その声のする方に振り返った。それは、とても弱々しく、か細い、やっと聞き取れるくらいの鳴き声であった。

「なあ…なあ…」

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静まりかえった『駄ねこカフェ』(イメージ)

『ねこカフェ』VS『駄ねこカフェ』終わり

がりことぐれ猫たち〜ねこカフェVS駄ねこカフェ2

ジジその後2

「にゃにゃあ〜ご!そこのキャワいい〜白雪姫ちゃん!」
「どうにゃあ〜このカッコイイ、ぼくと、とりあえず遊ばにゃい?」
「にゃにゃあ!あ、あ、あなた!いったい誰にゃ?!」
ミルクちゃんがびっくりして、ソファに隠れていたジジくんを見て叫んだ。
「ぼくのにゃ〜、大、大、大好きなにゃあ、草むらデート、行っちゃうにゃ〜」
ジジくんは、ミルクちゃんにウィンクした。
「く、く、草むら…にゃって…」
「にゃあ〜にゃんて!お下品!」
「にゃあ、家の中にばっかりいないでにゃ〜、たまには、外の草むらも楽しいにゃ!」
「あ、あなた、外から来た野良猫にゃわね!」
「そうにゃあ〜、だからぁ〜?」
「にゃ、どうりで薄汚れて、あなたとこのあたしが、デートするわけにゃいでしょ!」
「にゃあ〜に言ってんにゃ、同じにゃんこじゃにゃ〜」
「あなたとは、生まれが違うんにゃ!生まれが…にゃ!」
「そんなことに拘わらんにゃいでにゃあ〜にゃん生楽しまにゃきゃあ〜にゃ」
他の猫たちもジジくんを見て騒ぎ始めた。
「にゃ!やだにゃ〜野良猫にゃって…」
「話しには聞いていたけどにゃ…ほんとお下品…」
ざわ…ざわ…
「いったい何の騒ぎだあ〜、どうしたあ〜」
この騒ぎを聞きつけて、店の人間のスタッフが駆けつけて来た。
「にゃにゃ〜、やばい…せっかくいいとこだったのに…邪魔が入ったにゃん」
ジジくんはそれを見て、慌てて店から飛び出して行った。
それがジジくんの『猫カフェ』訪問記の一部始終だった。

「にゃんにゃあ〜ジジくん、それで、逃げ出して来たんにゃ?」
「チェリーちゃん、しょうがにゃいにゃ〜、大騒ぎになったんだから…」
「生まれが違うって…そんな気取ってるニャンコたちって、どう違うんにゃ?」
あたちは、素朴な疑問を呟いた。
「その子たちは、親もハッキリしてる血統書付きにゃんこで、生まれた時からチヤホヤされて育ってるから…」
「あたしたちのような、生きることに必死な野良猫のことが理解できにゃいにゃ」
チョコねえさんが答えた。
「血統書だか…何だか知らないけどにゃ、ただそれだけのことにゃん」
「何か 芸をするわけでもなしにゃ…」
「あにゃ、ももかちゃんこんにちにゃ」
ももかちゃんがやって来た。
ももかちゃんはとても芸達者なキジトラ猫である。お手お代わりって犬みたいな芸をする。年齢は不詳だが噂によるとチョコねえさんと同世代らしい。セレブっぽい雰囲気もあるので、そうなると熟にゃんの美魔女ってところだ。
ダンスが得意で、スタイルを保つために、エクササイズに励んでいる。

ももか5

がりことぐれ猫たち〜ねこカフェVS駄ねこカフェ1

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5階建ての白い大きなビルの最上階に、ねこカフェ『クアトロ・ガッツ』はあった。
その店の入口には、お店で働くにゃんこたちのファンからの花束が飾られている。それはまるで猫のキャバクラのような所で、知る人ぞ知る超人気店なのだ。
入口の扉の猫の肉球の形をしたドアノブを回し、店に入ると広い大理石の玄関で、入店者はそこにある受付のカウンターで来店の手続きをする。ここは会員制なので、一定の基準を満たした者しか出入りが出来ようなシステムになっている。
始めての入店者は、まずここで人間のスタッフから、利用料金や店内での注意事項、マナーなどを聞かされるのだ。

「シャ!人間の男が喜んで出かけて行く…にゃんにゃったか…あれにゃあれ…にゃ、シャ…シャバクラみたいにゃ!」
ジジくんの話を聞いていたすももねえさんが言った。
「すももねえさん…それを言うなら…キャバクラですにゃ」
「そうにゃ!トムくん、そのシャバクラに、ご丁寧にもお金を払って行くにゃんてにゃ、人間ってアホにゃ」
毎度のことだが、すももねえさんは自分の言い間違いに気づいていないようだ。
「シャバクラ、『クアトロ・ガッツ』だって…、まあ、名前だけは気に入ったにゃ」
「しももねえさん、それはどうしてにゃ?」
あたちは、すももねえさんにその理由を尋ねた。
「ちくわ!『クアトロ・ガッツ』というのは、4匹の猫という意味にゃんよ」
「実際に存在していたスペインの有名なカフェの名前にゃ」
「ふにゃ〜あ…、そうにゃんにゃあ〜」
「そのカフェはにゃ、大変歴史がある老舗で、19世紀末を代表する芸術家たちの溜まり場だったっていう話にゃんよ」
すももねえさん得意のウンチクが始まった。
「にゃあ〜昔から芸術家は猫が好きにゃんにゃ〜」
「猫はにゃ〜芸術家に多くのインスピレーションを与えるからにゃんよ」
「にゃあ〜、ダリ、マティス、ピカソ、クリムト…」
「ジャン・コクトー、アンディ・ウォーホール…」
「にゃ!小説家では、ヘミングウェイが有名にゃ…」
「日本の浮世絵にも猫を描いた作品が数多いにゃんよ、江戸時代の浮世絵師、歌川国芳は大の猫好きにゃ…」
そうなのだ、昔から猫は小説家、画家、写真家など多くの芸術家から愛されている。

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ダリ
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マティス
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ピカソ
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クリムト
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ジャン・コクトー

『クアトロ・ガッツ』の店内には、これらのアーティストとその愛猫の写真も飾られていた。

「ジジくん、お店の中はどんな感じだったんにゃ?」
チェリーちゃんが話の続きを聞きたくて促したので、ジジくんは話を再開した。
「そこはにゃ〜、ぼくらが暮らしいる部屋の感じとは、まったく違うんにゃ」
「そうにゃな…日常生活から離れた異空間にゃ、一言でいうなら…竜宮城にゃね」
「竜宮城?浦島太郎の?ジジくんそれじゃ…余計わかんにゃいにゃ〜」
「そうにゃ…ね、チェリーちゃん…、にゃあ〜!そうだわかった!ハーレムにゃ!ハーレム!」
「にゃあ〜ハーレム!にゃって!」
チェリーちゃんが素っ頓狂な声を出した。

『クアトロ・ガッズ』の店内は、クラシックの優雅なBGMが流れ時間もゆったりと流れている。
天井のシャンデリアに照らしだされた室内は、ふかふかの高級絨毯のひかれたフロアの上に、イタリア製の淡いピンクのソファにマホガニーのテーブル、その脇に置かれた白いシェードのスタンド、その他の調度品もどれを見てもみな豪華なものだ。
ジジくんはその店内にこっそり潜入し、革張りのピンク色ソファーの陰に隠れた。
人間のお客さんは、そのソファーに座り、お気に入りの猫を指名してそのにゃんこと戯れるのだ。
テーブルの上には、ドリンクメニューの他に、お店の猫たちの顔写真とプロフィールが書かれた物が置かれている。
店には、常に20頭ほどの猫たちが働いていた。その子たちはみな外国の猫たちだ。
チンチラ、ノルウェージャンフォレストキャット、ブリティッシュショートヘア、スコティッシュホールド、ラグドール、メインクーン、アメリカンショートヘアー…みなペットショップなどにいる子たちだ。あたちたちのような日本猫は一匹もいない。まして野良猫なんているはずもなかった。
みんな気品があり、実に優雅で、その立ち居振る舞いは、野良猫出のあたちたちにはとても想像ができない。
ジジくんは、みんなに気づかれないように息を潜め、その様子をじっと見ていた。
耳を欹てると話し声が聞こえてきた。

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「にゃあ〜そろそろ…開店にゃわね」
「今日は、早く帰れるかしらにゃ〜」
…ざわざわ…ざわざわ…

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お店三番人気、ノルウェージャンフォレストキャットのパールちゃん

「マロンちゃん、今日も一日お仕事にゃわね」

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お店二番人気、ブリティッシュショートヘアのマロンちゃん

「にゃ…ほんと…憂うつにゃわね、パールちゃん」
「面倒なお客様、来ないといいにゃわ」

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最近人気急上昇、スコティッシュホールドの双子、リリーズの二人

「そうにゃ…しつこいお客様は勘弁にゃ」
「店内のマナーを守っていただかないと…困るんにゃわ」
「『無理なお触り禁止!』『寝ているのを邪魔しない!』

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ダントツ一番人気、チンチラのミルクちゃん

「ふふふ…、にゃ、みなさん、それは無理にゃわね」

「にゃにゃあ、ミルクちゃん、ご機嫌いかが」
マロンちゃんが声の方へ振り返り、ミルクちゃんにあいさつをした。
「にゃあ〜、ご機嫌よう、みなさん」

ミルクちゃんが談笑しているみんなの所にやって来た。
この店の一番人気は、チンチラのミルクちゃんだ。
ミルクちゃんは、雪のような真っ白な毛色のゴージャスな長毛種で、その瞳はくっきりとアイラインを引いたような目元とその瞳は深い森のようなグリーン。口は程よい大きさで育ちの良さをうかがわせる。
ミルクちゃんは、その素敵な容姿とエレガントな身のこなしから、この店で働く傍、コマーシャルなどにも出演している超人気アイドルにゃんこなのだ。ガール&シーポーティのデザイナーブランドの猫モチーフコスメ、キャットフード『にゃんプチ』などのモデル猫としても活躍中だ。

「ミルクちゃん、さっきの話だけどにゃ、それってどういうことにゃ?」
「マロンちゃん、考えてみてにゃ…」
「あたしたちってとっても魅力的にゃ、だから、マナーとか言っても、所詮、無理にゃってことにゃのよ」
「人間は、あたしたちを触りたい欲望を我慢できにゃいのよ…ふふふ」
「にゃにゃあ〜そうだったにゃわ」
「にゃあ〜…美し過ぎるあたしたち…とても罪にゃわ」
マロンちゃんが自分に酔いしれるようにうっとりと呟いた。
「にゃ、パールちゃん!そう言えば…、最近、新しい子がお店に入ったって聞いたにゃわ?」
「ミルクちゃん、その子はプリンちゃん…ていう子にゃわ、マンチカンの…」
「そう、マンチカンの…それは、とっても個性的な子にゃわね」
ざわ…ざわ…
みんなは、最近入ってきたマンチカンのジーナちゃんの噂話しを始めた。


ジジくんは、ソファの影から、雪のように真っ白な毛色のミルクちゃんに見とれていた。
そして、ミルクちゃんに思い切って声をかけた。


本日のおまけ

最近おばちゃんはダイエットを始めた。
コレステロールの値が急上昇したため、ドクターからの緊急命令が下った。
そこで、せっせと野菜中心のメニュー作りに励んでいる。
さて、さて、いつまでつづくことやらにゃ

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ブロッコリー、アスパラ、かぼちゃの温野菜サラダ
レタス、パプリカ、きゅうり、ミニトマトのサラダ
白菜、キャベツ、大根、豚バラの鶏ガラスープ煮
ブルーベリーヨーグルト

「ちくわ!お前もダイエットしいやぁ〜、ウサギみたいにぷんぷくりんやないけ!」

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「そんな…ちらにゃいにゃ!あたちには、関係にゃいにゃ…」

プロフィール

ちくわ

Author:ちくわ
2010年5月生まれ、茶トラのにゃんこでちゅ。好きな食べ物はおでんの汁にゃ。よろちくわ!

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